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2022年5月30日 (月)

賢者の書 (喜多川泰著 ディスカバー・トゥエンティワン)

数年前に著者の講演を聞き、とてもよかったのですが、この著作もその内容のことを言っているだけかと思って、気にはなっていましたが読んでいませんでした。実際に読んでみると、講演の内容とは全く違う物語でした。でも、はっと思わせられたり、繰り返し読んでみたい言葉がちりばめられた、読後感さわやかな話でした。

『・・・行動の結果手に入るものは、失敗でも成功でもない。絵を完成させるために不可欠なピースのひとつであり、それ以上でも、それ以下でもない・・その絵を完成させたときに自分の手に入れてきたピースの一つひとつが、どこでどう使われているのかを見て、ようやくわかるのだよ。・・パズルを組み合わせて一枚の絵を完成させるのは自分ひとりの力ということなのだよ。

・・・夢はまだ、こうなればいいなあとか、こういう絵が描けるかもしれないといった弱い段階なのだ。一方ビジョンとは、必ず到達することが約束された場所であり、そのためにお前の人生があるという確固とした信念をもとに描かれる絵だ。

・・・宇宙を創造した大いなる力が、我々人間を生み、その一人ひとりの中に自らと同じ大いなる力、つまり心を与えたという一つの事実だ。・・私たち一人ひとりの持つ大いなる力、つまり心も、世の中に新しいものを創り出す能力があるということだ。

・・・自分を他人よりも価値のないものと卑下してはいけない。 自分を他人よりも優れているものとして傲慢になってもいけない。 自尊心と他尊心は常に同じ高さでなければならない。 自尊心を高めるということは、同じ高さまで自分以外のすべての人間に対する他尊心を高めるということを意味しているのだ。一部の、ではないぞ、すべての人間の、だ。

・・・何になるのかというのはさほど重要なことではない。どんな人間になるのかということのほうが、はるかに重要なのだ・・何になるかを目標にしても成功を収めることはできない。まず真剣に考えなければならないのは、どんな人間になりたいのかである。

・・・人間は自らが努力して作り上げたものの上にしか、安心して立つことはできんものだ・・人間は、今この瞬間しか生きることはできない。そのことを正しく理解する者だけが人生において成功をおさめることができる。

・・・大きな夢ばかりを見て、時間を過ごしている人もいる。今日、その夢に一歩でも近づく努力をしていないなら、結局、未来を恐れてオロオロしながら、今日を過ごす人と大して変わりがない。大切なのは昨日までの人生と、明日からの人生に心をとらわれることなく、今日一日に集中して生きるということなのだ。

・・・君の伝記を読んでいる人間が、今日のページを読んでいるときに、『あぁ、こいつは成功して当然だ』『この人は、絶対に成功する人だ』と確信できるような一日にすることだ。何しろ、その確認は外れないし、どこかでそう思われない人間が自らの伝記の最後の方で大きな成功を手に入れるなんてことは決してないのだから。・・君は、君の伝記を読んでいる人間が、君は将来絶対に成功する人間であると確信できるような一日にすればいいだけなのだ。そうすれば残りの人生は成功できるかどうかというものではなく、成功するのはわかっている。あとはそれをどうやって手に入れるのかを見るに等しいものになるのだよ。

・・・尊い働き方もあれば、そうでない働き方もある。

・・・自らの人生という貴重な財産を、時間という財産を投資したのだ。そしてその結果として、自らの描く、壮大なビジョンを完成させるために必要なパズルのピースをすべて受け取ったのだ。これが正しい投資である。この投資は、現状としてお金があるないに関係なく、すべての人が平等に、しかも今すぐ始めることができる。賢者とはそのことをよく知り、時間を投資することを欠かさない人なのだ。

・・・この世は、自分の幸せばかりを願う者にとっては、辛いことが多く、思うようにいかず、楽しいことの少ない試練の場かもしれないが、他人の幸せばかりを願う者にとってはこれ以上ないほど、楽しいことの多い、そしてチャンスに満ちた輝ける場所なのだよ。

・・・人は病気によって生きる希望をなくすわけではないの。言葉によって生きる希望をなくすのよ。もちろん上手に使えば、生きる気力・勇気を与えることだってできる。

・・・あなたの言葉を一番聞いているのはあなた自身なの。そしてあなたは誰の言葉よりも自分自身の言葉に強い影響を受けて人生をつくっているの。あなたは、実際にあなたが口にすることも、心の中で考えることもすべて聞いているわ。そしてそのすべてから影響を受けて自分の心というものは作られているの。あなたの周囲を満たす言葉の大部分はあなた自身の言葉なのよ。

・・・せっかく持って生まれてきた心であり、口でしょ。・・どうせ使って生きるのなら、人に勇気、元気、感動を与えたり、良いものを生み出すために使って生きた方がいいでしょ。もちろん、自分に対してもね。

・・・知っているだけでは最高の賢者にはなれません。つまり、この旅だけでは最高の賢者になることはできないのです。僕はただ賢者の教えを知っただけですから。これからが本当の人生の旅です。

・・・自分と出会うすべての人や出来事に対して、心から思わなければならない。『ありがとう』と。そして大切なことは、それを伝えなければならないということだ。

・・・感動させる側になって初めて、真の感動を十二分に味わうことができるのだ。これは感動に限った話ではない。

・・・真に学ぶ姿勢がある者にとっては、世の中のあらゆる人が師となり得るのだ。教えた側が賢者なのではない。学んだ側が賢者だったのだ。そして最高の賢者とは、誰よりも多くの人からいろいろなことを学べる素直な心を持つ人なのだろう。』

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