今回のウクライナ侵攻ではなく、2014年のクリミア侵攻後に書かれたものです。この書籍の存在は知っていたのですが、今回2022年の侵攻後に初めて読みました。この書を読んでいれば、今回のロシアの苦戦は予想できたかもしれません。この書には、日本に対する重要な助言が多数記されています。しっかりと心にとめておきたいと思います。
『・・・ウクライナは国家としてしっかりしてなかったから、非常に弱くなりました。だから隣国のロシアは無防備だったウクライナを攻撃して、戦争になってしまいました。
・・・ウクライナに対して用いられたロシアの共産主義的手法は、今、中国によって日本に対して用いられています。その最も顕著な例が沖縄と尖閣諸島です。
・・・日本人が知るべきは「ロシアの本質」である。つまり、ロシアはどういう国か、ロシア国民は自国の歴史や国際情勢をどう認識しているのかなど、日本に直接影響し得る問題についてである。・・ロシアの歴史認識は大国意識に基づいている。過去にどんなにひどいことをしていても、それを正当化する。一切間違いを認めない。だからロシアは、過去に犯したすべての侵略を称賛するのだ。
・・・ロシア人は、自国が世界中から恐れられている、脅威として思われているということを、最も誇りに思う民族である。つまりロシア人がロシアに対して
世界に共有してもらいたいイメージは「尊敬」ではなく、「恐怖」なのだ。
・・・よく勘違いされるのだが、「ロシアは都合がいい時だけ約束を守るが、都合が悪くなったら約束を平気で破る」と言われている。そうではない。ロシアは最初から約束を守るつもりはまったくない。・・ロシアにとって約束というものは、相手を油断させる道具に過ぎない。
・・・自らが一方的に押し付けた契約ですら、ロシアは時間が経てば平気で破り、さらに悪い条件でガスを売ろうとしているのだ。
・・・日本文化が好きな人が多いからといって、その国は親日になるのか?答えはもうでている。決してそうではない。中国と韓国は、世界で最も過激な反日国家である。同じように、日本文化が好きなロシア人がいくらたくさんいてもロシアも反日国家である。・・彼らはあくまで日本のアニメだけが好きであり、政治的には反日であるということだ。・・日本はかつて、ヒトラーの味方であったため、政治的に日本に一切の配慮をするべきではないとも言っていた。
・・・中国とロシアは事実上の同盟国であり、経済関係も深いからである。ロシアにとって中国は第一の貿易相手でもある。ロシアと中国は切っても切れない関係なのである。・・ロシアも中国に経済面で大きく依存しているので、中国の拡張主義を抑止することに協力できない。
・・・これはロシアがよく使うやり方である。元々ロシアの権益がどこにもないところへ侵入してきて、権益の存在を主張する。そして、その後「妥協しよう」と言い出して、その権益の半分を相手に認めさせようとする。それは形としては妥協に見えるが、実際はロシアが一方的に権益を得るだけだ。なぜなら、そこにはロシアの権益は存在しなかったのだから。
・・・第一のポイントは返還の期限を設けないことである。そして、第二のポイントは立場を一貫して、全島全域返還という立場を崩さないことだ。・・準備を万全にして、機会をうかがうのだ。ロシアは将来必ず弱くなる。弱くなった時、実力で取り戻すか、実力を背景にロシアに全面返還を迫るのだ。それは十分可能の展開だが、その力を持てるかどうかは日本の頑張り次第である。・・深い入りせずに、国際的な礼儀だけを守り、適当に付き合ったらいい。ロシアの言うことには適当にうなずいておけばいい。だが、絶対に信じてはいけない。これは最も現実的であり、最も日本の国益に適うロシアとの付き合い方である。
・・・共産主義思想の根本的意義は周知のとおりであるが、あえて端的に再言及するとすれば、それは「私有財産の否定」と「伝統文化・信仰の否定」にほかならない。この共産主義は、世界に最も多くの悲劇をもたらした思想である。・・共産主義者は人の命にまったく価値を見出さず、目的のためならばいくらでも存在の抹消を正当化してきた。
・・・国内が一致団結しなかったため、民族が一丸となり赤い化け物に対抗することができなかったのだ。
・・・共産党幹部はウクライナの民族アイデンティティを徹底的につぶすことにした。そのために、そのアイデンティティを最も色濃く保っていた農民層の大量虐殺を起こした。この農民層を潰せば、ウクライナ民族を骨抜きにできると考えたのだ。そして、残されたウクライナ人を「ソ連人」として作り変えることが最終目的であった。・・文字通り一切の食料を没収されたので、明らかに農民を餓死させることが目的だったといえよう。しかも食料がなくなった地域から誰も逃亡せぬよう、道路も封鎖された。このような人工飢餓やその規模を隠ぺいするため、ソ連公式の見解では、不作のため限定的な飢餓が発生したとされている。人工飢餓の犠牲者数はまだ確定されていないが、当時の人口統計や出生率などの分析によれば、飢餓で200万人から600万人多死亡したと推定される。
・・・フルシチョフは、ソ連共産党ウクライナ支部に長くいたことから、ウクライナ人と誤解されることがあるが、民族的にはロシア人である。彼はウクライナイを担当していたころ、積極的にスターリンによる抑圧や虐殺に加担した人物だ。
・・・ウクライナはせっかくソ連から独立したときに受け継いだ強い軍隊の大部分を、主として経済的な事情と平和ボケの風潮により手放してしまった。そのた、め、ウクライナには抵抗する力がなかった。・・しかしロシアは、絶対服従しか認めるつもりはなかったので、ウクライナ新政府の交渉要請を一切蹴って、クリミア占領作戦を続けた。
・・・この事件の直後、マレーシア機はウクライナの戦闘機が撃墜したという説が出回った。一方、この直後、武装集団のリーダーの一人が、「ウクライナ軍用機を撃墜した」と非常に喜んでいる様子でSNSで投稿をしていた。ロシアのニュースサイトも、親露派勢力がウクライナの軍用機を撃墜したと報じた。しかし、数時間後、その投稿と、アカウントそのものが削除された。マレーシア機を撃墜したのがロシア正規軍の部隊であることは疑いようがなかった。なぜなら、非正規の武装集団が、地対空ミサイルシステムという複雑な兵器を扱うことが出来ないからだ。特別の訓練が必要なのである。つまり、これはロシア軍による誤射であった。
・・・ウクライナ国民の過半数はロシアが友好国であるという認識を持ち、現実として侵略が始まった時、驚愕した者が大多数だった。ロシアがウクライナを攻撃するなどということを信じたくない人は非常に多かった。
・・・現代の侵略のやり方とは、まず、侵略対象の国の協力者を利用して、混乱状態を作る。その後、その混乱を口実に正規軍を送るのだ。ウクライナ東部では、ロシアによってまさにそれが実行されたのだ。
・・・ウクライナが1991年末にソ連から独立した時点で、ウクライナ軍は次のような編成であった。兵士780万人/戦闘車両7000両/大砲7200門/軍艦500隻/軍用機1100機、そして1500発以上の戦略核弾頭と176発の大陸間弾道ミサイルという、当時世界第3位の規模の核兵器も保有していた。しかし、独立してから大規模な軍縮が始まった。・・見返りとして、「米英露はウクライナの領土的統一と国境の不可侵を保証する」という内容の覚書だけを発表した。だが、覚書は国際条約ではないので、それを守る法的義務はない。実際の国際関係では、法的拘束力のある国際条約ですら守られていないことが多いという事実を踏まえれば、最初から法的拘束力のない「覚書」など守られるはずもない。
・・・1998年に未完成の航空巡洋艦ヴァリァーグが中国に売却された件は有名である。中国側が水上カジノにし、軍事的使用はしないと約束したが、ご存じの通り、その後、船が中国で完成されて、今は中国軍の空母、遼寧として稼働している。・・ヴァリァーグと同様に多くの船が外国に売却された。また、削文された船も多かった。
・・・最も大きな問題とは、この少ない予算であっても軍のために使われなかったということだ。軍の腐敗や堕落も甚だしいものとなった。軍や防衛省の中で、汚職と賄賂は蔓延し、軍の幹部は任務をはったらかしにし、私腹を肥やすことだけに専念した。
・・・2014年3月、ウクライナはロシアにクリミア半島を占領された。ロシア軍がクリミアを占領し始めた時に、ウクライナは武力による抵抗をせず、国際社会に対して、ロシアの暴挙を止めるように要請した。・・形としてはウクライナは100%正しい行動をとり、国際法に則り、正当な要請をした。それに対し、国際社会は声明を発表するという形で、ロシアの行動を批判し、クリミア半島のウクライナへの帰属を確認した。そして、ロシアに対して、直ちにロシア軍を栗見は半島から撤退するように要請した。しかし、実際にロシアの侵攻を止めるための行動をした国は一国もなかった。
・・・2014年4月以降、ロシアはウクライナ東部への侵攻を開始した。何もせずに国際社会に訴えることの無意味さに気付いたウクライナは、ようやく自分の手で抵抗を始めた。形骸化してしまったウクライナ軍を少しずつ復活しながら、血を流す戦いに臨んだ。そのようにしてやっと、自力で自国を守る覚悟を示したのだ。そうすると、国際社会の反応は少しずつではあるが、変わり始めた。・・それらすべてが可能になったのは、ウクライナが自分で血を流す覚悟を示し、最後まで戦う姿勢を見せたからにほかならない。つまり、ウクライナ人はちゃんと自分で戦っているから、支援する意味があり、その支援は無駄にならないという風に、西洋諸国が考え始めたのだ。
・・・「日本人は戦う意思がある」と見せかけなればならない。実際に国民は戦うつもりがなくても、それを隠して、日本人は一丸となって戦うつもりでいるというイメージを国際社会に見せて、国際社会を少しでも日本を支援する気にさせなければならないのだ。・・ウクライナは2014年3月に一度、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、それが幻想だと知った。日本はウクライナイと同じく愚かな期待をしてはならない。
・・・NATOは集団安全保障の組織であると同時に集団防衛の組織でもあるということだ。
・・・実際は集団安全保障が平和を維持している体制なのだ。日本における集団的自衛権行使反対の主張は、完全なでたらめであることをウクライナやヨーロッパの状況は明確に語っている。これも机上の空論や仮定、創造の話ではなく、実際に世界で起きていることなのだ。
・・・現代の戦争では、非戦闘諸国、国際社会が、当該の戦争についてどのような考えを持っているかが、勝敗を決める極めて重要な要素になる。・・ところが国際世論は必ずしも事実によって動くとは限らない。・・国際社会に伝えることが出来なければ、国際社会の場で評価されることはない。
・・・西洋諸国を始め、世界各国の国民はウクライナを支持しているとは言えない。なぜそのようなことが起きているのだろうか。それは、ロシアが繰り広げた巧妙なプロパガンダの結果である。ロシアは国家戦略として、全世界に向かって大々的な情報発信を行っている。そのために高額の国家予算を使っている。極貧者の人口が多く、下水道すら通っていない地域も多いロシアだが、対外プロパガンダの予算だけは毎年しっかりと確保してある。
・・・プロパガンダの一つ一つのデマは短期間の効果しかないということをロシアも承知の上だ。だから効果的なプロパガンダのために、次から次へと新しいフェイクニュースを作り出し、前の嘘が暴かれた頃には既に新しいデマが多く出回っているのだ。
・・・日本も情報戦において遅れをとり、それによって被害を受けている・・中国共産党や南北朝鮮政府を始めとする反日勢力が、史実に基づいていない虚偽を世界に拡散し、国際的に日本の印象を悪化させている。
・・・内政干渉もひどいものであった。ロシアは常に、ウクライナ国内におけるロシア語の使用について口出しをして、ウクライナ語ができない人がウクライナ国内ですべてのサービスをロシア語で受けられるように要求していた。
・・・現実のロシアの行動は、この期待と真逆であった。ウクライナがロシアの要求を呑めば呑むほど、新たな要求は突き付けられた。弱腰の姿勢はむしろロシアを調子に乗せて、要求の規模はエスカレートした。・・このように、独裁国家の理不尽な要求を呑んでも、最終的に攻撃を免れることはできない。むしろ、その要求を早い段階で断った方が、要求がエスカレートする可能性の上昇を抑え、相手の軍事行動を避けられる可能性が出てくるのである。
・・・ソ連崩壊後、ロシアはいくつかの戦争を起こしている。・・いずれの戦争も、ロシアは侵略者であり、首謀者である。・・民族紛争という形を取っているが、戦争を掻き立てて、実際の戦力をもってジョージアを攻撃したのはロシア軍である。
・・・侵略者はまったく違う理屈で動いているのだ。侵略者の理屈とは、「侵略を物理的にできるか、できないか。攻撃する力があるのか、ないのか」ということである。もし侵略者がそれをできると判断したら、攻撃するだろう。・・やるべきことの一つは、現在侵略で苦しんでいる国を支援することだ。侵略を受けている国を支援すれば、その国が侵略に対抗する力が強くなる。そうすれば、侵略者は現在の侵略で手一杯になって、次の侵略を断念するか、延期するかもしれない。
…なぜウクライナの軍隊は腐敗したのであろうか。最も大きな原因は、指導層や国民の多くが軍の重要性をわからなかったということである。つまり、ウクライナ社会はその時完全に「平和ボケ」してしまったのだ。当時、国民に広まっていた考えは以下のようなものであった。「軍は金がかかるだけ」「これからは平和の時代だ。戦争が起こるはずがない」「そもそも戦う相手がいない」と。だから、ウクライナ軍がだんだん衰退していくという状態について、ウクライナ国民が声を上げなかった。
・・・平和ボケとはどの国、どの社会にでも起こりえる現象なのである。・・平和ボケとは、平和が長く続くと自然に現れてくる現象である。
・・・明らかなロシア工作員がウクライナ防衛大臣を務めたのだ。
・・・ロシアが、ウクライナは反撃できないと確信していたからこそ、侵略を強行したのだ。
・・・実際は日本の周りに、中国やロシア、北朝鮮や韓国がある。その中で、韓国とロシアは、既に日本の領土を何十年も不法占領している。また中国は日本に対して不当な領土主張をしているだけではなく、日本全体を支配しようと、さまざまな工作をしている。
・・・一国の軍事力が強ければ強いほどその国が攻撃される可能性が低くなる。だから、平和を維持し、戦争を防ぎたいのであれば、軍事力を強化するしかない。
・・・共産主義は、基本的人権、平等、自由などを尊重する民主主義国家とは相いれないものであると定められ、その理由で共産主義が禁止される。
・・・今はソ連もナチスドイツも悪であり、ウクライナはその二つの化け物の犠牲者だったという史実に基づく見解が広まっている。
・・・正教会は、カトリックやプロテスタントに並ぶキリスト教の一大宗派だ。正教会が主流であるすべての国には、・・それぞれの正教会がある。ロシア正教はその一つなのだ。・・正教会の仕組みは、最上位がコンスタンディヌーポリ総主教庁で、
・・・日本の自虐史観の大きな柱は「日本は植民地支配をした」「日本は侵略戦争を起こした」の二つであろう。まず、一つ目についてだが、日本は植民地支配をしていない。台湾と朝鮮は日本に征服されたのではない。朝鮮はロシア帝国に支配される寸前というところで、日韓併合が実行された。日本は朝鮮を過酷なロシア支配から救ったといってよい。ましてその支配は植民地どころか、優遇とすら言える。・・本土と同水準の教育を与えただけでなく、ハングルも広めて朝鮮語そのものを発展させた。
・・・日本は「侵略戦争」を起こしていない。侵略戦争とは、領土や権益の拡大、もしくは資源の獲得のために、当該国が自分の意志で開始する戦争である。しかし、日本はそのような戦争をしていない。支那事変も日米開戦も、ソ連の謀略の結果である。・・もし日本に大東亜戦争において責任があるとしたら、それはソ連の謀略を見抜けなかったことである。
・・・国際社会では、正しい事実を訴えればわかってくれるとは限らない。そういった心情面にも十分配慮して情報発信をしないといけない。
・・・もちろん、不可能を可能にするには、多くの努力を重ねる必要があるのだが、意識が変われば、日本の核武装だって、国連の常任理事国入りだって可能だ。
・・・残念ながらよくならない。自衛隊を明記しても、戦力の不保持と交戦権の否定はそのままであるからだ。だから、この改正案は現状を少しも改善しないにもかかわらず、次の改正の可能性を非常に低くしてしまうため、筆者は有害だと考えている。
・・・反対意見が優勢の場合は、様々な形で情報発信を行い、今の世論を変えようとするべきだ。そのために政治家や言論人、オピニオンリーダーというものが存在する。・・「何が何でもとりあえず憲法改正をすれば、日本は良くなる」という考え方は、左翼が言う「憲法改正すれば戦争になる」と同じぐらい現実とかけ離れたスローガンではないだろうか。大事なのは「何が何でもとにかく憲法改正だ」ではなく、「どの条文をどう変え、それによって今の日本はどの点でよくなるのか」ということである。
・・・再軍備は憲法改正より重要だ。なぜなら、実際の国力となっているのは軍事力で、憲法の条文ではないからだ。どんなに立派な条文であっても、もし軍事力という「中身」が弱かったら、国を守ることはできない。
・・・数百名の日本人が北朝鮮に拉致されていると言われている。これはとんでもない犯罪であり、主権侵害行為である。しかし、日本は自国民を拉致されても取り返しに来ない。日本は、他国に侵された自国民の人権を守ることが出来ない国である。・・世界中のほとんどの人が、日本人が何百人も北朝鮮に拉致されているという事実を知らない。国際世論を味方につけるには、その事実を知らせる必要がある。
・・・外国人労働者受け入れは、間違いなく将来大きな社会問題となる。これを労働力不足問題の解決策として考えてはいけない。外国人は、異なる文化や世界観の持ち主であるので、日本に既にある文化や生活様式と相いれないものが多い。ヨーロッパの例で分かるように、何れ混乱や衝突が生じる。外国人の定住は、日本の社会に溶け込む意思のある外国人のみ認めるべきである。・・正しい思考は、「移民はいらない。しかし少子化は深刻な問題だ」ということだ。この二つの関係ない問題を分けて、少子化問題の解決に取り組むべきだ。・・人口減少そのものがはるかに大きな危険性を持っているという事だ。その理由の一つとして、日本国全体の国力衰退が考えられる。つまり人口とともにGDPも減少するという事だ。・・二つ目は、さらに恐ろしい展開だ。すなわち人口減少の傾向が一度軌道に乗ってしまえば、それは止まることなく、出生数は下降の一途をたどるということである。
・・・外国人観光客への過度の期待は禁物だ。なぜなら、外国人旅行者を商売の対象にすることによって、依存性が生じるからだ。・・最初から外国人の需要を計画に入れると、その外国人需要がなくなった場合は、商売が成り立たなくなる。
・・・国際法上、他国の軍用機に領空侵犯された場合は、撃墜可能である。しかもその時期、ロシアによるトルコへの領空侵犯は頻繁に起きていた。だから、トルコは我慢しきれずに10回以上の警告を繰り返したのち、撃墜を実行した。このトルコの行為に問題はない。しかしその後、ロシアは多面的な圧力をかけて、特に、ロシアの観光客にトルコに行かないよう呼びかけた。トルコの観光業やホテル業は、かなりロシア人旅行客を当てにしていたため、2016年にトルコの観光業は大きな打撃を被ってしまった。1年後、トルコのエルドアン大統領はなくなったロシアの搭乗員の遺族に謝罪した。
・・・チベットやウイグルは中国によって既に国家の体をなしておらず、全土が中国に支配されており、自国では抵抗が極めて困難な状態にある。国際社会の助けが必要なのである。では、日本は何をするべきなのか。少なくとも中国の暴挙を糾弾して、国際社会に対してチベットやウイグルの虐殺について積極的に継続して情報発信をするべきである。・・「できるが、しない」というのは「事なかれ主義」だ。やるべきことを、できるところからやるのが「現実主義」である。
・・・実はほとんどの動物の寿命はおおよそ人間の三分の一から四分の一である。そのため、体にたまった放射線による影響が現れる前に、寿命が尽きてしまう。だから、動物は元気な生活ができるのだ。むしろ人間がいない分、動物にとっては他の地域よりいい環境かもしれない。
・・・脱原発を叫ぶ「進歩主義」を名乗る人たちは、実は強烈な「後退主義者」なのだ。・・「脱原発」「反原発」を主張している日本人たちに言っておきたい。まずは自らが文明的な暮らしをやめて、洞窟へ行けばいかがだろうか。私たちから見たら、この恵まれた豊富な電力が十二分に安定供給されている日本で、あなた方の主張にまったく説得力がない。反原発の運動家は、人類の安全や、環境、市民の暮らしについては一切考えていない。
・・・日本と似たような歴史を持っている国は世界で他にない。神話時代から現在まで歴史が続いている国はない。2679年も同じ王朝が続いている国はない。連綿と、おおよそ同じ領土で、同じ民族が同じ言葉を反して、一度も他国の一部になったことがないのは、日本だけである。
・・・左翼は、伝統の重要性を皇室の尊さを理解できないのだ。左翼知識人にも非常に頭のいい人はいる。しかし、彼らは自分だけの知恵に頼り、先人の智の集積を重視しない。私は、日本の皇室は日本だけではなく、全人類の宝物であると思う。さまざまな悲惨なことが起きている今の世界は、日本の皇室のような、何千年も続く尊いものを求めているのではないだろうか。
・・・日本が外国との戦争に敗北したのは歴史上、3回ある。白村江の戦(663年)、豊臣秀吉の朝鮮出兵(1590年代)、そして、大東亜戦争(1941~1945年)である。2679年の間にたったの3回。これも世界で他に例のないことであろう。
・・・白人以外で初めて近代化に成功した日本は、他の有色人種にとっても近代化の道しるべとなった。日本の成功があったからこそ、他の有色人種も白人に劣っていないことに気付き独立と発展を目指す動機となった。
・・・日本の再軍備を妨げているのは事実上、日本の世論と、それに縛られている指導者の根性のなさのみである。
・・・世界平和をもたらすには、平和主義を実行している国が世界のリーダーにならなければならない。もちろん、それは左翼が主張しているような空曹平和主義ではなく、正当な力に基づく本当の平和主義でなければならない。正当な力に基づく平和主義を実行する国が、世界に平和主義の模範を示し、凶暴な国や勢力を抑えるのが理想である。・・平和主義とは、戦わないという事ではない。自国に対する脅威がある時、攻撃される時には戦わざるを得ない。しかし、自分から戦いを挑む、必要のない戦いをする、または欲に基づいて誰かを攻撃するようなことをしてはならない。
・・・議論する時には、誰も否定できない「事実」に基づくことが有効です。』