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2018年4月13日 (金)

ママたちが非常事態⁉ (NHKスペシャル取材班 ポプラ社)

子育てをしている人たちが疑問に思っていることを科学的に解明した本です。私自身も子育ての経験がありますが、目からうろこが落ちた気がしました。

『・・・動物の赤ちゃんは運ばれるときは泣き止むという習性を持っています。その名残が、実は人間の赤ちゃんにも残っているのです。
・・・他人の子の泣き声では、母の脳で反応するのはごく一部です。しかし、我が子の場合は、反応する場所が明らかに多くなり、複数の場所が・・強く反応していました。・・実はこの脳の反応こそ、・・自分の子が泣いたときだけ母親たちが感じた「ざわざわした」「切ない」といった感覚の正体だったのです。
・・・出産したことのある人なら、妊娠時になんともいえない幸せな気持ちを味わった経験があるのではないでしょうか?なぜ女性ホルモンにこんな働きがあるかといえば、母に子を持った喜びを感じさせることで、これから訪れる大変な育児を頑張る準備をさせるために生まれた仕組みだと考えられています。ところが、出産と同時にこの女性ホルモンは急降下、一気に通常レベルに戻ります。
・・・調査中、チンパンジーと森の中で出会ったら、とにかく目を合わせないようにしながら、じりじりと間合いをつめて安心させるのだといいます。いきなり目を合わせることは、野生の世界では攻撃や威嚇を意味するのだと。
・・・みんなで協力しておこなうこの子育ては「共同養育」といわれています。実はこれこそが、多くの子をちゃんと育て上げていくため、700万年前に私たちの祖先が獲得した子育て戦略。つまり、人間本来の子育ての形だったのです。・・共同養育を求める母の体の本能と、現代の孤独な育児環境、そのギャップに母たちは苦しむ。それこそが”現代ニッポンの母の7割が育児に感じる孤独”の正体だと考えられるのです。
・・・「我が子を愛おしいと思う気持ち、母性というものは、もともと女性の脳に備わっているわけではなさそうです。赤ちゃんに実際に触れ、育児を経験する中でそのスイッチが入り、どんどん育まれているものだということを、今回の研究結果は示しているのだと思います。」
・・・胎児は30~40分ほどの長さの浅い眠りと深い眠りを交互に繰り返します。そして、浅い眠りの間に数回目を覚まします。・・胎児は昼よりも夜の方がよく目を覚ましている・・夜によく目を覚ますという胎児特有の睡眠は、母に負担をかけないための仕組みなのです。
・・・人間は、動物界で最も脳を大きく発達させた頭でっかちの動物です。二足歩行によって産道が狭くなったため、人間の赤ちゃんは脳がまだ小さく未熟なうちに生まれたこざるをえなくなったのです。脳が未熟であるがゆえに、筋力や視力、睡眠のリズムなど基本的な体の機能も未熟なのです。そして、それが夜泣きにもつながっているのです。
・・・「脳波を見ると、まだ睡眠の最中です。乳児は眠っているのに動いたり、声を出したり、眼を開けることもしばしばあるんですよ」・・実はここにも、人間の赤ちゃんが持つ未熟な脳が深くかかわっています。・・寝ているにもかかわらず、体が動いたり、声をあげたり、眼を開けたりするのです。・・「夜、寝ていた赤ちゃんが動いたり、声をあげたりして目を覚ましたように見えても、・・10秒間、様子を見守ってみる。そうすれば、赤ちゃんが本当に目を覚ましたのかどうかがわかるはずです」
・・・一般に野生動物は目を合わせることはほとんどありません。なぜなら、目を合わせるのは相手をを威嚇し、攻撃するときだけだからです。それゆえ、動物には目を合わせると脳の扁桃体が反応し、恐怖心が生まれる仕組みがあります。・・しかし、脳が未熟な赤ちゃんには恐怖心を抑え込む前頭前野が未発達です。・・それゆえ、赤ちゃんは視線を合わせたときに沸き起こる恐怖心を抑え込むことができません。だから泣いてしまうのです。つまり、人見知りは、単に相手のことが怖いのではなく、相手に興味を持っている証拠なのです。・・最初は視線を外しながら、徐々に赤ちゃんとの距離を縮めていくのがおすすめです。
・・・イヤイヤ期の子どもたちは、目先の欲求を我慢できない・・イヤイヤ期の子では前頭前野の活動が一様に低かったのです。前頭前野は、脳の中でも最も高次元の機能を担っている”人間らしさを生み出す脳”といわれています。その大切な機能の一つが”抑制機能”と呼ばれるものです。・・抑制機能の発達には個人差があるのです。・・実は叱られて我慢させられているとき、脳では恐怖の中枢、「扁桃体」が激しく反応しています。その恐怖で欲求を無理やり抑え込んでいるにすぎないのです。子どもがなぜ我慢しなければいけないかを考え、自主的に我慢しなければ、抑制機能は働かないというわけです。・・本人の将来にとってプラスになる目標を理解させて我慢させることが大切だということです。
・・・オキシトシンは脳に働きかけることで、ペアを造ったり、子育てを夫婦でするという愛着行動を作り出していたのです。・・オキシトシンには、パートナーや子供に対して愛情を感じさせる働きがある一方で、子供に危害を与えたり、子育てを邪魔しようとする者に対しては、攻撃性を増すという働きもあるのです。・・現在、研究者たちの多くは、オキシトシンは感情を強める増幅器のような働きをしていると考えています。
・・・女性の脳は、赤ちゃんの泣き声に敏感に反応するのに対し、男性の脳は女性ほど赤ちゃんの泣き声に敏感ではないことがわかったのです。
・・・みんなで子育てをするように進化した人間の女性は、特にコミュニケーション能力、共感性に優れています。とりとめのない会話は、子育てのための共同養育相手と仲良くなり、絆を結ぶためのツールです。
・・・男性の脳も、育児を経験することで、我が子を愛おしいという気持ちなど、父性のスイッチが入ることがわかりました。
・・・すでにパートナーガいる場合、オキシトシンは他の女性に近づきたいという男性の意欲を奪うのです。つまり、妻以外の女性を遠ざけようとするのです。』

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