雑誌記事から(Hanada 2017年11月号)
田原総一朗氏が阿比留瑠比氏と対談していますが、阿比留氏の圧勝という感があります。田原氏のいい加減ぶりが際立っていました。まったくジャーナリストとは呼べない思考ぶりです。インターネットがない時代の日本だったからこそ活躍できたのでしょう。いまだに声だけ大きいが考えの浅い、彼の「老害」ぶりを表すやり取りを残しておきます。
『・・・田原 もし加計になったのならば、官僚たちに「加計にするならちゃんとした理屈を作れ!」というべきだった。
阿比留 それこそ介入になるじゃないですか。
・・・阿比留 国民から見ればそうかもしれませんが、しかし、あの文書が「怪文書」なのは変わりありません。
田原 何で?
阿比留 正式な行政文書だったら行政印があって、誰と誰が閲覧をして、行政にどう反映されたか、ちゃんと記録している。しかし、あれは誰が書いたかも不明のメモ書きです。
田原 じゃあなんで文科相は、文書があったとみとめたの?
阿比留 それは実際に存在していたからでしょう。存在していたからといって、それはメモ書きであって行政文書ではありません。
田原 菅だってそのあとで、「現在はその(怪文書だという)認識ではない」と撤回したよ。そこには「総理が言った」と書いてあった。
阿比留 違います。「総理のご意向」です。
・・・田原 偏っていないよ。テレビでも新聞でも、視聴者や読者が安倍さんを疑っているからこそ、前川を登場させたりしている。だからみんな見る。逆にテレビや新聞が押し付けたって、おかしいと思えばみんな見ないし、読まない。「Hanada」では批判していたけど、「文藝春秋」に前川の手記が載ったのも、その方が売れるからでしょ。
阿比留 国民が求めていることと正しいこととは違います。国民が疑っているのなら何を疑っているか、その疑念が間違っているなら真実はこうなんだと情報をちゃんと伝えて、国民に判断してもらうのが報道の役割でしょう。
・・・阿比留 ・・・田原さんはそう思っているかもしれませんが、他の多くのメディアは違う。フェイクニュースですよ。
田原 それがウケるからでしょ。
阿比留 田原さんは、「ウケるからいいんだ」と全肯定するんですか。読者のウケを考えるという部分がマスコミにあるのは事実ですが、ウケるから何でもいいわけではない。
・・・阿比留 総理の言い方、やり方にまずい部分があったというのはわかります。判断ミスかもしれません。しかし、「国民が疑っているんだから、報道が偏向するのも仕方ない」というのは違います。
田原 報道は国民の求めに応じるものだよ。
阿比留 とんでもない。田原さんの言葉とは思えません。それでは困る。記者の仕事はステレオタイプの打破であって、それに乗っかることではありません。
・・・阿比留 朝日なんか、繰り返し「疑念が晴れない」とか「疑念が残る」とか、そういう表現ばかりです。疑念を持たれること自体が問題だとする向きもあるけど、疑念なんて持とうと思えば、誰でも、いつでも持てます。報道だったら疑念だけでなく、その証拠も書かなければおかしいはずです。
田原 安倍さんが疑念を晴らす努力をしなくては。
阿比留 なかったことを証明するのはそれこそ”悪魔の証明”で、不可能です。総理はこれまで何度も証明しているけど、全く聞く耳を持たないじゃないですか。
・・・田原 あれは高市氏の発言がおかしかったからだよ。彼女は「テレビが政治的に公平性を欠いた発言をすれば、電波停止もありうる」と言っていたが、ああいう暴言があると、新聞社やテレビ局の幹部は自己規制する。だから僕らは断固抗議するんだ。
阿比留 それはおかしい。そもそも高市氏は質問されたから答えただけだし、法律に書かれていることを言ったまでです。それに民主党政権の時、平岡秀夫副総務相も同じ答弁をしています。もし高市発言で怒るのなら、平岡発言の時に怒るべきではないですか。
田原 民主党政権なんて、政権と思っていなかったからね(笑)。
阿比留 それは答えになっていませんよ。Aが言ったら問題にするけどBが言っても問題視しない。そんな二重基準はよくない。
・・・田原 新聞にもテレビにも、特に若い世代は関心を持たなくなっている。それはネットのせいだ。僕は新聞は十年経たないうちに”マスメディア”から単なる”メディア”になると思っている。テレビの経営もガタガタになってしまうだろう。
阿比留 ネットで誰もが検証できる時代に、どちらか一方だけの言い分だけを載せて他は載せないなんて通用しないし、それによって信頼もなくなる。これはメディアの自殺ですよ。
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