飛田の子 遊郭の街に働く女たちの人生 (杉坂圭介 徳間書店)
前に掲載した「飛田に生きる」の続編です。私自身いい年をしていますが、これまで知らない面を教えてもらいました。
『・・・私も危険覚悟で客を装い、飛田で働けそうな子をほかの風俗店やキャバクラから引き抜くしかありません。・・引き抜きがばれた場合、強請(ゆす)られたり、拉致されたり、大変な目に遭うからです。
・・・女の子の心が揺れ動き始めたらあとは押さずに引きの姿勢で待った方がスカウトの成功率が上がります。・・あとの判断は当人に任せることが重要です。警察に「スカウトで入った」と言わせない、思わせないのが、飛田で生きてための必須テクニックなのです。
・・・彼女たちは冷静に自分のポジションを認識しています。これは女性特有の納涼といってもいいかもしれません。少なくとも私の見てきた飛田の女の子たちの大多数は、自分を過大評価することはありませんでした。
・・・何事もなかったようにふるまっていましたが、心のどこかに暗い気持ちを抱えているとお客さんには伝わるものです。
・・・飛田の売れっ子の寿命の一年と言われています。絶頂期間が三か月から半年近くあって、残りは浮いたり沈んだり。そして一年たったら普通の「飛田の子」に戻る。
・・・幸せをつかむためには、飛田と決別しなければならないのです。この世界、入るのは簡単ですから出るのは難しい。短期集中で稼げる魅力はいつまでも女の子たちのなかに残り続け、ふとしたきっかけで「飛田」という選択肢がよみがえってくるのです。』
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