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2017年6月 4日 (日)

肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい (西山耕一郎著 飛鳥新社)

健康について考えるうえで、これまで気づかなった視点からの指摘が多く書かれており、ぜひ実践していきたいと思いました。

『・・・じつは、筋肉よりも血管よりも、「決して衰えさせてしまってはいけない機能」があるのです。それは、食べ物を飲み込む力、すなわち嚥下機能です。
・・・寿命が短かった昔の人は、たいてい飲み込み力が低下する前に死んでしまっていたのです。だから昔は「嚥下機能維持の大切さ」なんて、ほとんど問題になることはなかった。ところが、近年、80代、90代まで生きる人が多くなって、飲み込み力を低下させる人が増え、誤嚥にによって誤嚥性肺炎を起こす人が増えてきたのです。
・・・のどの機能を低下させないためには、「のど仏を上下させる筋肉」を衰えさせないことがカギ、すなわち、のどの筋力をキープして「のど仏をスムーズに上下させる機能」「”フタ”の開け閉めをスムーズに行う機能」をいかにキープしていくかが、私たちの嚥下機能を守る重要なカギとなるわけです。
・・・食べ物や飲み物を嚥下する際は、普段からなるべく「意識をするクセ」をつける方が良いでしょう。つまり、ごっくんと飲み込む前に、「さあ、飲み込もう」「ごっくんするぞ」といったことを頭に思い浮かべるようにする。
・・・飲み込んだ後は、息を吐きだす方がいいのです。嚥下直後に息を吸ってしまうと、その拍子に食べ物や飲み物を肺に吸い込んでしまいやすいのですが、息を吐いていればそうした心配はありません。
・・・「普段からしっかり声を出す習慣」をつけるために、とくに私がお勧めしているのが、「カラオケ」「おしゃべる」「笑い」の三つです。
・・・食事中の会話は、なるべく「食べるときは食べることに集中」「話すときは話すことに集中」して、誤嚥をしないように注意しましょう。
・・・飲み込み力は、全身の体力と相関しています。すなわち、体力が落ちてくると、飲み込み力もてきめんに落ちてしまう
・・・そもそもトレーニングというものは、ハードルが低めのメニューを長く続けていくのが、もっともいい結果につながりやすいのです。
・・・首周りの筋肉が固まっていると、のど仏をもち上げる筋肉も動きが悪くなります。ですから、のど仏の動きをよくするためにも、首周りの筋肉もしっかりほぐしましょう。
・・・カラオケの「飲み込み力トレーニング効果」を十二分に引き出していくには、歌い方や選挙区にちょっとしたコツがあるのです。そのコツとは「高い声を出してうたうこと」。・・のど仏は高い声を出すと上がって、低い声を出すと下がります。のど仏の筋肉、咽頭挙上筋群を鍛えるには、この上下運動をしっかり行っていくことがポイント。ですから、カラオケの際、できるだけ高い声で歌ったり、キーの高い曲を選曲したりして、のど仏をしっかり挙げ、盛んに上下させるようにしていくといいわけです。
・・・「高い声」と「低い声」を交互に繰り返しだし続けていれば、のど仏はそのたびごとに上がったり、下がったりを繰り返し、それによってのどの筋肉(咽頭挙上筋群)が鍛えられることになります。
・・・一口一口を楽しむようなつもりで口に運ぶ食べ物をよく噛み、じっくりと味わって食べるようにするといいでしょう。
・・・誤嚥やムセを防ぐという観点で言うと、最初に液体のメニューを口にするのはよくありません。・・液体はのどを通過する速度が速いため、間違った入り口に入ってしまいやすいんですね。意外かもしれませんが、液体は最も誤嚥しやすい食形態なのです。・・①柔らかい(硬度)、②まとまりやすい(凝集性)、③べたべたしない(付着性)この条件にピッタリなのが「中華料理」です。
・・・のどの奥にある声帯の直径は、成人でおよそ2センチで、だいたい親指の太さくらいです。
・・・肺炎をさけたければ、なるべくカレースプーン1杯よりも少ない「一口量」で食事をするように心がけるといいでしょう。
・・・「飲み込みやすい姿勢」の基本は、「軽くお辞儀をする」ような姿勢です。・・誤飲を防ぐ有名な方法には「うなづき嚥下」と呼ばれる飲み込み方もあります。やり方は簡単で、飲み込む瞬間だけ、下を向いてごっくんするのです。・・椅子に座って食べる場合は、背もたれのある椅子に深く腰掛け、背中を伸ばし、頭をやや前に倒して食べるのが理想です。
・・・もし誰かがムセたときは、まずは上半身を前方へ水平に倒すこと。そして、気管を水平にして吐き出しやすい状態で咳をさせるのが正解です。
・・・痰は、呼吸器にとって有害な物質を体外に排出する役割を果たしています。・・痰は身体の調子が悪い時だけに出るのではなく、調子のいい時も出ているし、健康な人にも出ています。成人の正常量は一日に100ml程度。もっともこれくらいの量であれば、ほとんどは無意識のうちに飲み下してしまいます。・・痰が多い状態は、気管や肺が弱っているというシグナルのようなものなのです。
・・・逆流性食道炎による誤嚥は、夜、寝ているときに起きるケースが少なくありません。普通に仰向けに寝ているうちに、酸っぱいものが込み上げてきて、その内容物が気管へ入ってしまうのです。・・逆流性食道炎を起こす原因には、「肉などの脂肪分の多い食事」「暴飲暴食」「不規則な生活」「精神的ストレス」などが挙げられています。
・・・男性の方が女性よりも下がり具合が大きいのです。・・「のどの機能は男性のほうが衰えやすい」「女性は比較的衰えにくい」と言ってしまって差し支えないでしょう。
・・・「マスクをして眠る」という行為は、のどの健康を守るうえで、たいへん理にかなっていることになります。
・・・少なくとも医療関係者には、のどが痛くなった時にのど飴を舐める人はほとんどいません。
・・・うがいには、口やのどの乾燥を防いだり、のどに付いた細菌やウィルスを洗い流したりする働きがあります。ただし、うがい薬は必要なし。なぜなら、うがい薬は、のどの粘膜にとっては少々刺激が強すぎるのです。
・・・(「のどの狭さ」に起因するいびきは、)原因としては、肥満でのどの脂肪が多い、加齢でのどの筋肉が落ちる、などが挙げられます。
・・・2011年度、誤嚥による窒息事故の死亡者数(4816人)は、交通事故による死者数(4611人)より多くなってしまいました。
手術後の患者さんはどうしても体力や免疫力が落ちています。このため、自分の唾液を誤嚥し、そこから肺炎を起こしてなくなる方がおられたのです。』

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