利休と遠州 (薄田泣菫著 青空文庫)
二日連続で茶道関連の書です。短い作品でしたが、なるほどと思うところがありました。
『・・・自分はこの道の宗匠である。自分の一挙手一投足はこの道の規範として残り、自分の一言は器の真の価値を定める最後の判断であるのを思ふと、滅多なことは口に出せませんでした。利休はただ黙ってゐました。
・・・「わしが賞めたのは、千金にも代へ難いその誇りと執着とを、茶器とともに叩き割つた持主のほがらな心の持ち方ぢや。ただそれだけの話ぢや」「それでは茶入をお賞めになつたのぢや・・・・」遠州は呆気にとられて、老人の顔を見つめました。「さうとも。さうとも。賞めたのは、ただその心持ばかりぢや」老人はきつぱりと言い切りました。』
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