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2016年3月16日 (水)

雑誌記事から (文藝春秋 2016年4月号)

『この歴史から学べる教訓があるとすれば、我々は中国を取り巻く国際社会に、常に自らとは異なる視線があることを知らなければならないという点だ。その差異を無視して、声高に日本の主張だけを繰り返せば、かえって日本外交、日本経済を大きな苦境に落とし込んでしまうリスクが生じる。また日本から見ると、確かに「異形の大国」に見える中国を、欧米諸国も同様にみていると考えてバッシングを続け、一方的にこれへの対峙を説くことには大きなリスクがあることを知らなければならない。

現在日本は、姿を変えつつある中国とどう対峙すべきなのか。いま、私が危惧しているのは、近年の日本外交が柄にもなく、あまりに観念的で理念先行型になってしまったことだ。・・国内の「人気取り」もあって、無用に観念論を持ち出して今後も中国に強硬に対抗しようという薄っぺらい戦略論では、日本外交はやがて自縄自縛の状況に陥り孤立しかねない。
いま、日本はとにかくアメリカと共同行動が求められるが、同時にアメリカによって「ハシゴを外される」リスクも真剣に考えなければならい時でもある。(以上「日本はもはや米国を頼れない」中西輝政氏)
つまり、二つのことが今、中国経済の重石となっているのです。中国を、中所得の国から高所得の国へと成長させることができないシステムとなっていること、それと表裏一体というますが、国有企業や準国有企業の負債が拡大していることの二つです。中国経済は、政治的にも経済的にもリスクを生み出す基盤の上に成り立っているわけです。
キャメロン首相は、「お金に色はない」という考えなのですが、さすがに中国共産党と組むのはリスクが大きい。国益をかんげるなら、インドやマレーシア、シンガポール、オーストラリア、日本などの共通の価値観を持つ国々との連携を重視すべきでした。イギリスはもっと、慎重な対中政策をとるべきなのです。中国との連携は、イギリスの構造的脆弱さの現れといっていいでしょう。 (以上「ポスト習近平が鍵を握る」 ウィル・ハットン氏)』

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