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2016年2月

2016年2月25日 (木)

出家とその弟子 (倉田百三著 青空文庫)

母がかなり昔に読んでいて、気にはなっていましたが、やっと読み終えました。しかし、この作品中の親鸞の教えにはキリスト教の影響が強く感じられ、私に言わせると、仏教の教えではないと思います。

『百の悪業に催されて自分の罪を感じている悪人よりも、小善根を積んでおのれの悪を認めぬ偽善者のほうが仏の愛にはもれているのだ。仏さまは悪いと知って私たちを助けれくださるのだ。悪人のたmねの救いなのだからな。
外から見れば念仏ほど簡単なものはありませぬ。ただの六字だねな。だが内からその心持に分け入れば、限りもなく深く複雑なものです。・・人生の歩みの道すがら、振り返るごとにこの六字の深さが見えていくのです。(だんだん熱心になる)それを知恵が増すと申すのじゃ。
人を愛しなさい。許しなさい。悲しいを耐え忍びなさい。業の催しに苦しみなさい。運命を直視なさい。そのとき人生のさまざまの事象を見る目がぬれてきます。仏さまのお慈悲がありがたく心に染むようになります。
四季のうちりかわりの早いこと。年をとるとそれがことに早く感じられるものだ。この世は無常迅速と言うてある。その無常の感じは若くてもわかるが、迅速の感じは老年にならぬとわからぬらしい。もう一年たったかと思って、恐ろしい気がする事があるよ。人生には老年にならぬとわからない寂しい気持ちがあるものだ。・・「若さ」の作り出す間違いがたくさんあるね。それがだんだんと眼があかるくなって人生の真の姿が見えるようになるのだよ。しかし若い時には若い心で生きていくよりないのだ。若さを振りかざして運命にむかうのだよ。純な青年時代を過ごさない人は深い老年期を持つこともできないのだ。
多くの弱い人は寂しい時に酒と女に行く。そしてますますさびしくされる。魂を荒らされる。不自然な、険悪な、わるい心のありさまに陥る。・・強い人はさおの寂しさを抱きしめて生きていかねばならぬ。もしその寂しさが人間の運命ならば、その寂しさを受け取らねばならぬ。その寂しさを内容として生活を立てねばならぬ。宗教生活とはそのような生活のことを言うのだ。
別れていて互いの幸福を祈る--すべての人間は隣人としてそうするのが普通のさだめなだの。人間はどのように愛し合っていても、いつもいっしょにいられるものではない。

2016年2月21日 (日)

まず白米をやめなさい (溝口徹著 あさ出版)

健康ものです。白米を食べすぎてはいけないということなどが分かりやすく書かれており、実践したいと思いました。

『糖質でおなかいっぱいにしているために、ほかの必要な栄養を補えたいないのです。そこで、糖質を控え、足りていない栄養素を補うように食べ方を指導したり、サプリメントを出したりすると、みなさん、みるみるよくなっていきます。
糖質は、とりすぎれば害になりますが、それ自体は敵視すべきものではありません。・・甘いものや主食を減らしながら、筋肉量を減らさないように動物性たんぱく質をしっかりとる。これらのことを、カロリーの知識も頭の隅に置きながら、行っていくといいでしょう。・・大切なポイントは糖質を控えると同時に、たんぱく質、脂質をしっかりとることなのです。
通常、血糖値は食事をすると上がり、しばらくすると下がるなど、一日の中で、上がったり下がったりする「日内変動」を繰り返していますが、本当は何を食べても、安定して保たれます。ところが、血糖値が急激に上がるような食事を続けていると、いま説明したような体の調整機能に支障が出始めます。
それが、玄米に替えたとたん、食べた後に全然、眠くも、だるくもならない。頭もぼーっとせず、すぐに仕事に取り掛かれる。これには本当に驚きました。
インスリンそのものは、もちろん、血糖値が上がった時に唯一、働いてくれる頼もしい存在です。しかし血糖値がいきなり上がると一気に分泌されるために、血糖値を適正に下げるどころか、象の強さ並みにドカンと下げすぎてしまう。こうして、体を一気にエネルギー不足状態に陥らせてしまうのです。
人類が古来食べてきた自然そのままの食べ物には、血糖値を急激に上げるものはほとんど存在しない・・
私たちは精製された食べ物をお腹いっぱい食べることで、臓器に想定外の働きをさせ、しかも酷使しているということなのです。
糖質は、エネルギーに変換せれるものではあるけれども、必ずしも取る必要はない、もっといえば「できるだけとらないほうがいい」ものです。その理由は、一つには、これまで述べてきたように、糖質の多い食事はすい臓や副腎を疲れさせるから。そして、これからお話しするように、体内で余った糖質は、体内で様々な悪さを働くからなのです。
体内で余った血糖は中性脂肪として蓄えられ、不足した時に利用されるといいましたが、蓄えられるのが皮下脂肪であれば、じつは大きな問題はありません。・・一方内臓脂肪はいけません。内臓脂肪は、一つの細胞を肥大化させる形で増えていきます。・・内臓脂肪は、肝臓にも悪影響を及ぼすことで、回り回って全身の支障を招く悪者といえるのです。
糖化の何がいけないかというと、体内で重要な働きを果たしている、たんぱく質にくっついて、そのたんぱく質の機能を鈍らせたり、失わせたりしてしまうからです。
糖化は加齢とともに加速します。骨粗鬆症をはじめ、肌や毛髪の劣化、加齢臭といった老化現象は、体内のたんぱく質が糖化していることが原因ともいえるでしょう。・・糖化のリスクは、血糖値が高い状態が多いほど、高くなります。・・一言でいえば「糖化は老化」であり、糖質過多の食生活ほど、早く老化を招くからなのです。
コレステロールはじつは、健康な体を維持するためにはなくてはならない物質です。
コレステロールが少なすぎると、細胞の形が維持できなくなってしまいます。
LDLコレステロールは低いほどいいどころか、体を維持するためには必要不可欠な物質なのです。ところが、LDLコレステロールが「悪玉化」してしまうと、一転、体の毒になってしまいます。LDLコレステロールを悪玉化させてしまう要因の一つは「酸化」、そして、もう一つが「糖化」です。・・つまり、LDLコレステロールを体に良いものとして保つためには、「酸化」と「糖化」を避けなければなりません。LDLコレステロールの酸化は、激しい運動やストレス、喫煙などの習慣があると起こりやすくなります。これらの習慣が、細胞を酸化させる活性酸素(フリーラジカル)という物質を生み、LDLコレステロールを錆びつかせて、本来の役割を果たせなくしてしまうのです。酸化を防ぐためには、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質をとることが有効です。
一般的な総コレステロールの基準値に照らし合わせると、「高め」と出る人のほうが、健康長寿であることもわかっているのです。
ダルビッシュ選手は、丈夫で大きな体を作るために、特に油脂とたんぱく質の大切さを痛感したといいます。そこで、体に良いとされるアマニ油をつねに持ち歩き、外食時のサラダには、レストランのドレシングはかけずにアマニ油をかけているそうです。
糖が変化したグルコース以外の体のエネルギー源となるのは、脂質から作られるケトン体という物質や脂肪酸、また、たんぱく質から作られるアミノ酸などです。・・これらのうち、グルコースだけがエネルギー源になっているのはただ一つ、赤血球のみです。そのため、赤血球には一日に15グラムほどの糖が必要です。一方ほかの組織は、グルコースもエネルギーではありますが、ケトン体や脂肪酸、アミノ酸など、多岐にわたる物質をエネルギー源としています。つまり、赤血球以外の組織は、グルコースがなければないで、別の物質をエネルギー源として、まったく問題なく機能できる、というわけです。
内臓脂肪は、食生活が悪いとすぐについてしまうのですが、食生活を正せば、簡単に落ちます。すなわち、糖質を減らし、たんぱく質をしっかりとって筋肉をつければ、あっという間に減っていくでしょう。
・・糖質をたくさんとると、たんぱく質や脂質の摂取量が減るということ。端的に言えば、ご飯が多いほどおかずが少なくなるという単純な話です。・・もうひとつは、糖質に偏るほど、重要な栄養素が無駄遣いされるということ。
ただ、総コレステロール値がどんどん上がって、下がる兆しの見えない場合は、卵や乳製品に、特に反応しやすい体質かもしれません。肉や魚の摂取量は気にしなくてもいいのですが、卵や乳製品を控え、様子を見ていく必要があります。
現に、諸外国のデータを見ても、摂取たんぱく質のうち、動物性たんぱく質が50%を超えるところは、平均寿命が長めであることが分かります。・・動物性たんぱく質をとれば、一緒に脂質もとることになります。そのため、細胞膜の材料になるコレステロールが増え、血管が丈夫になったと考えられます。そして、ちょうとこのころから、日本は平均寿命で世界トップに立ち始めたのです。
糖質は、血糖値を急上昇させてインスリンの大量分泌を招き、インスリンが血糖を脂肪に蓄積してしまう。一方、脂質やたんぱく質は、血糖値の上昇にはほとんど関係ない。つまり、血糖値を急激に上げるのは糖質だけであり、血糖値が上がるほどにインスリンが大量に分泌され、せっせと血糖を脂肪に換えてため込んでいく---こう考えてください。脂肪を減らすために一番気を付けなければならないのは、じつは脂質のカロリーより、糖質による血糖値の上昇だということが、お分かりいただけると思います。
ポイントは、糖質より先に脂質をとる、あるいは脂質と糖質を一緒にとることで、糖質が単独で体内に入ることをさける、というところです。
内臓脂肪がたまると腸の周りにある門脈を通じて、サイトカインが肝臓に流れ込み、脂肪肝を作り出します。脂肪がたまった肝臓は食材由来の糖を処理できず、血糖値が上がり、インスリンが過剰に分泌されることになります。
そのころの人々には、もちろん「糖質」も「ビタミン」もわかりません。でも当時の医師たちは、経験的に、脚気患者にはそばを食べるよう勧めていたそうです。そばの実を丸ごと使うそばは、白米と違って糖質の塊ではありません。つまり、当時の医師たちは、知らずと、糖質制限を勧めていたわけです。
いきなり運動をして乳酸を増やすのではなく、むしろ乳酸が増えないようにしなければなりません。ここで乳酸の材料がなにかというと、糖質なのです。
日本における糖尿病患者は、予備軍を含めて約1620万人、1955年の31.5倍にも増えています。日本人は、やはり、肥満ではないのに糖尿病になる人が多いのです。
医師の間では有名な「久山町研究」では、住民への継続的調査によって、糖尿病患者ほどアルツハイマー病の発症率が高いことが明らかにされています。・・あるアメリカの研究チームが、糖尿病ではないアルツハイマー病患者の脳を調べたところ、脳細胞への糖の取り込みが激減していました。・・アルツハイマー病患者は、脳細胞に糖を取り込めなくなっている。これが、アルツハイマー病が「第3の糖尿病」といわれるようになったゆえんです。・・糖質の取りすぎが認知症発症に影響していることは、間違いないといえるでしょう。日本人は、平均寿命だけ見れば世界トップクラスですが、認知症にかかる確率は、実は、他国より高めです。
・・ガン細胞のエネルギー源は糖だけです。したがって、ガン細胞のエネルギー源を減らすために、糖質は、やはりなるべく控えたほうがいいのです。
食材に含まれる脂質の大部分を占める長鎖脂肪酸は、リンパ管を通じて静脈に流れ込み、そこから全身に運ばれてエネルギー源として利用されます。一方、中鎖脂肪酸だけは、門脈により直接、肝臓に運ばれてケトン体に変換されるのです。通常の脂質は、静脈に運ばれると皮下脂肪や中性脂肪に変換されやすくなります。そのため、静脈を経ない中鎖脂肪酸は、3つの脂肪酸の中で唯一「肥満につながりにくい脂質」だといわれています。
絶対に避けていただきたいのは、空腹時にいきなり白いご飯や甘いものを食べることです。すでに説明したとおり、空腹時に糖質をとると、血糖値が急上昇します。
動物性たんぱく質が胃や小腸で処理されずに大腸にまで達すると、発酵して腸内環境を荒らしてしまいます。すると、必ずオナラが臭くなります。かといって、動物性たんぱく質を減らしたくはありません。こういうときは、消化酵素が豊富な生野菜をプラスするなど、消化を促す工夫をするといいでしょう。
なるべくいろいろな種類の動物性たんぱく質をとる、ということです。同じ種類のたんぱく質を取り続けていると、「遅延性アレルギー」という、アレルギーの一種にかかる恐れがあるからです。
牛乳に含まれるカイゼンというたんぱく質は、腸内環境を荒らします。ヨーグルトなど発酵職乳製品になると減るのですが、なくなりはしません。これも、乳製品はあまりとらないほうがいいといっている、理由の一つです。
いろいろな種類の肉や魚をたくさんとり、乳製品は取りすぎに気を付けて、卵はほごほごにという具合にバリエーションをつけ、効果的にたんぱく質を取ってください。
フルーツも、注意が必要です。果物に含まれるショ糖が、血糖値を上げてしまうのです。特に日本の果物は甘味が強いことで有名です。
人工甘味料は腸内環境のバランスを変え、いわゆる悪玉菌を増やして腸の炎症を招くと考えられます。腸と肝臓は門脈を通じてつながっており、腸の炎症はダイレクトに、肝臓に被害を及ぼします。
飽和脂肪酸である肉のラード、不飽和脂肪酸である魚のEPA(エイコサペタエン酸)やDHA(ドコサヘキサンエン酸)は、いずれも積極的に取りたい脂質です。・・絶対に避けたい油から挙げるとしたら、筆頭はトランス脂肪酸です。・・取りすぎの注意したいのは、オメガ6系の油。コーン油、ひまわり油、大豆油などのいわゆる「サラダ油」の原料になることも多い油です。オメガ6系(リノール酸)は、私たちの体に必要な「必須脂肪酸」の一つです。ただ、近年、取りすぎると生活習慣病やガン、アレルギーを促進すると指摘されています。
積極的に取りたい「いい油」とは何か、というと、まずオメガ3系の油、続いてオメガ9系の油です。・・オメガ3系は、イワシやサンマなどの青魚のほか、アマニ油や荏胡麻油に多く含まれています。ただ、熱で参加しやすいという難点があります。・・オメガ9系(オレイン酸)を多く含む、オリーブ油やキャノーラ油(従来の菜種の品種を、高オレイン酸になるように改良した品種からとった油)は、熱で酸化しにくいので、加熱調理に向いています。
・・サプリメントの摂取をおすすめしたいのは、鉄、亜鉛、ビタミンB群、ビタミンDです。今や、日本人全体が鉄不足に陥っているといっても過言ではありません。
たっぷりとったたんぱく質が勝手に筋肉になってくれるわけではありません。きちんと運動ををして初めて、たんぱく質が筋肉に変化するということは、いうまでもないでしょう。血糖値を安定させて、より健康になるには、適度な運動習慣が欠かせないのです。
・・昼食を食べて数時間後、「集中力が落ちてきたな」と思ったときは、ほんの数分少し息が上がるくらいに、腹筋やスクワット、スキップなどをしてみてください。・・それがしげきとなり血糖値を上げるホルモンが分泌され、ゆっくりと血糖値が上がります。したがって、インスリンの分泌を避けることができるというわけです。
カロリー制限として肉や卵をあまり食べない一方で、ジムで激しい運動をしていることも問題でした。カロリーが不足している中で激しい運動をすると、筋肉がカロリー減として利用されるため、運動をしているのに筋肉が減っていしまうのです。』

2016年2月20日 (土)

仏教の「無価値」論 (アルポムッレ・スマナサーラ著 日本レーラワーダ仏教協会編)

『宝物として家族、仕事、財産などのが謡的なことを話しました。これらは生きるためには欠かせないものです。でも、「これらに執着すると、幸福を得る代わりに苦しいを味わうことになるのだ」と理解していただきたいのです。財産、家族などにあまりにも執着しすぎると、これらはより早く自分から離れて逃げていくのです。

中道的に、執着しないで、また理性を失わないように、慈愛にもとづいて、生きる上で欠かせないものとつきあうべきです。
なぜ、思考を捨てられないのですか?宝物だからです。価値があるからです。「自分そのものだ」と思っているからです。
望んだ結果が一時的で、瞬時に消えるもので、なにも残らないという意味です。・・若い時にはお金を貯めて遊ぼうと思っても、歳をとると遊ぶことがつまらなくなるのです。
「価値」とは実際にあるものではなく、われわれの概念から出てくるもう一つの概念です。価値の世界は、具体性はほとんどない、頭の中に生まれる抽象的な概念なのです。わかりやすく言えば妄想です。
仏教は、人間の限りのない苦しみの原因は、この価値観にあると説いています。価値観はこころにあるもので、ものにあるのではないのです。価値観からこころが解放されたら、それが覚りの境地です。
お釈迦さまも弟子たちも、出家して家族から離れたのですが、その責任からも逃げてしまったということにはならなかったのです。たとえ、出家しても、親の面倒を見る人がいなくて自分一人で生活できなくなった場合、托鉢して親に食べさせた一人の比丘のエピソードもあります。「親孝行は素晴らしいことだ」とお釈迦様はこのことを誉めたのです。ですから、捨てるのは執着であって、人間としてあるべき慈しみの人間関係を捨てるのではないのです。責任から逃げるのではないのです。
出家の食べ物にたいする見方は全く違います。人間のからだは、どんどん壊れていくのです。食べないと死んでしまいます。これは、どうしようもないことです。それで仏教の世界では、「ただあなたは材料を入れているだけです」「部品交換をしているだけです」と言われるのです。・・尊いありがたい食事をいただくとすると、価値観の世界です。仏教の道ではないのです。・・生きている間も腐っていくのですが、こころという意識があるから腐ったものを洗い流すのです。お風呂にも入らない動物はそれほど臭くないのです。もし人間が体を洗わなかったら、世の中で一番悪臭を放つ生き物になるでしょう。
・・焦らないで落ち着いて行動する。それ以外はすべて集中実践の時間だから、できるだけその時の気持ちに合わせてスローモーションをしてみる。ときどき、超スローモーションをやってみたほうが良いと思います。こころを落ち着かせるために、スローモーションをなさってみること。 それから二番目。瞑想を始めてから(合宿を)解散するときまで、ずっと実況中継を忘れないことも大切です。・・もっと厳しく言えば、「いらないことはなにも考えないでください」と頼みたいのです。
一瞬しか、現象は残らないのです。すべての減少にあるのは、ほんの一瞬です。それを感じ取ってみてください。
・・仏教ではこう考えます。「生きることは大変だ」と。その苦しみは、何かに「価値がある」と思うところから生まれてくるのです。では本当に「価値」というものがあるのかと調べてみたところ、無価値を発見するのです。それを「覚り」と言っています。一切のものに価値がないとわかると、あの苦しみの炎が全部消えてしまうのです。
ブッダは「価値を入れてはいけない」とおっしゃっているわけではありません。ただ、何物にも価値はないという真理を語られたのです。解釈は何もなし。
精神的な病気の人は、狭い範囲に絞って徹底的に価値を入れています。普通の人は、あれやこれや、いろんなものごとに幅広く価値を入れています。価値を入れる幅が狭くなると精神的にかなりきつい状態になるのです。世間ではその状態だけを「病気だ」と言っています。
どうせ因果法則だから、悩んでも悩まなくても、次にするべきことは決まっているのです。こころは動揺しません。動揺しない人は成功します。どんなことがあってもリラックスして、穏やかに楽しく生きていられることこそ、「幸福」ということなのです。』

2016年2月15日 (月)

英語脳になるだけで、スラスラ英語がでてくる! (宮本太平著 インプレス)

私の英語力が伸びない理由が分かりました。この本の述べていることを試してみたいと思います。

『英語学習では純粋に努力したものだけが勝てる
毎日6~8時間は勉強するという英語漬けの生活をするようになりました。すると、1年後には日常英語に困らないレベルになりました。さらに、学習を始めて3年後には通訳者として働けるようになりました。
リーディングの学習を飛ばしてリスニングの勉強をしてはいけません。リスニングの基礎はリーディングであり、まずは読めるようになってから同じ文章を聞いて理解できるようになるからです。
スペースアルク社が提供している「英辞郎」です。これはインターネット上で、無料で使うことができ、しかも収録語数や例文数はどの辞書よりも多いのが魅力です。
私が特にお勧めしたいのは旺文社出版の「ロイヤル英文法」です。
英語をネイティブのように無意識に使いこなすレベルを目指すよりも、「英語で何を伝えるか」の方が重要だと主張しています。ネイティブは私たちのようなノンネイティブに、彼らが使うような表現や発音などを期待していません。「私たちが何を言いたいか」に焦点を当てて聞いています。
アクセントさえ間違えなければ英語は最低限は通じます。なぜなら、ネイティブはアクセントを頼りに英語を聞き取っているからです。
会話の種類は2種類あり、一つは「相手との関係を維持するための会話」、もう一つは「情報伝達型の会話」と言われています。前者が約2割、後者が約8割を占めています。つまり、前者が「決まり文句や簡単な文法でカバーできる会話」、後者が「高度な文法運用力が必要とされる会話」となります。英会話をマスターするには、この8割の会話を制御する必要があります。
「英語を英語で考える」ことができるようになる前の段階として、クイックレスポンストレーニングを使うのです。英語を英語で考える代わりに日本語で考えていても、それほど問題ありません。日本語を英以後に転換するスピードが速くなれば、英語で考えるのと同じくらい流ちょうに話せるからです。
スピーキングやライティングの力を上げるためのクイックレスポンスは、「日本語を見て英語を言う練習」が効果的です。一方、「英語を見て日本語を言う」練習は、リーディングやリスニング力の向上につながります。リーディングやリスニングが苦手という人はとても多いです。その理由の一つに、語彙力不足というものがあります。
「the economist」で紹介さえています。それによると、「大人のネイティブスピーカーの語彙量は2万~3万5千、8歳の子供は1万、そして4歳の子供は5千の単語を知っている。」といわれています。
残念ながらコロケーションは辞書に全部載っていません。そのため、リーディングやリスニングを通して自分でコロケーションを見つけながら覚えていく必要があります。
外国語をマスターするには、「文法を理解したうえで、できるだけ多くの英文を暗記する」ことが重要です。
決まり文句は全体の会話の約2割です。残りの約8割は、自分で一から文章を作る能力を求められます。だからこそ、文法知識が必要となります。
最初は上記のように丁寧に英文を作っていき、文法を意識しましょう。スピードはあとからついてきます。
知識を持っていることと、文法を自由自在に使いこなすことには大きな差があります。
知識として覚えている文法を自由に使いこなすためには、それらを自分で使ってみることが必要です。・・同じ英文を繰り返し音読することが大切です。
何度も同じ例文を繰り返すことによって、少しずつでもその例文を自分の言葉として応用できるようになります。そして、ある時点で「文法を考えなくても感覚的に使いこなせるようになる」ことができます。
ネイティブと会話をしたり、外国に行ったりしなくてもスピーキング力を伸ばすことは可能です。ただし、相当な努力が必要です。
正しい英文をゆっくりでも作れるようになった後、今度は自分が納得できるスピードになるまで何度も同じ英文を音読してください。
もし慣用表現を言いたい場合、私は前もって上の例のように英訳するように決めています。
長い文章を作るときのポイントですが、「主語とメインの動詞を何にするか」を瞬間的に決めることが重要です。そして、なるべく日本語の語順通りに訳すことです。
1.主語とメインの動詞を瞬間的に決める。 2.日本語の語順にこだわる。 3.5文型のいずれかに即して英訳を始める。 この三つをしっかりと意識して、長い文章を話す練習を何度もしてください。
「できるだけ多くの本を読みなさい。わからない単語は飛ばしても構いません」というものです。しかし、この学習法が通用するのは上級者だけです。初級~中級者がこれを行うと、逆効果になってしまいます。
文章が成り立つルールを頭の中に入れることを、内在化といいます。・・母国語が完成された人が外国語で書かれた文章を理解するには、この内在化を意識的に行う必要があります。
リーディング力=文法力×語彙力×精読力×速読力
英語を読めるようになるためには、意識的に勉強をする必要があります。そのためにも、英文読解を理論的に学んでいくことが重要です。
英語上級者であれば、次に来る英文を読み進めながら予測しています。こうすれば、頭から英文を理解することが容易になります。
・・意識的にリスニング力を上げることが重要になります。具体的に言えば、まずは文法と単語力を高めることが大切です。そして、英文を丁寧に聞くことで完璧な理解を目指す成長を数多くこなします。この練習の後に、初めて速聴力の効果が出始めてきます。
ディクテーションとはつまり「書き写す」ということです。英語で聞き取ったものをすべて紙に書き起こしていきます。この練習法が効果的である理由は、どこが聞き取れなかったのかがはっきりとわかるからです。
ディクテーションのやり方としては、1~2分程度英文を聞き、それをすべて書き取ってください。聞き取れなかった箇所は何度も聞き返し、徐々に空欄を埋めていきます。・・どうしても聞き取れないというところまで粘り強く聞き、そして初めて答えの英文を見ます。・・聞き取れなかった箇所は何度も繰り返し聞き、英語の崩れの音を体得してください。
1~2分ほどの英文を100個ほどディクテーションすれば、かなり基礎力がついているはずです。
私たち通訳者や英語上級者の方たちは、品詞を理解しながら聞いているのと同時に、必ず構文も意識して聞いています。
これはすぐにできるようにはなりません。同じ文章を何度も聞き返し、頭から理解する感覚を体で覚えていきましょう。
ある程度の例文暗記を行い、友人同士のEメールのやり取りなどにスラスラと英文が書けるレベルになった後、新聞などに書かれている記事を書き写しましょう。この練習法は、英検1急やTOEFLで高得点を取る際にも有効です。
語学学習は決して楽ではありません。ただ、最低でも一年間は必死で勉強してください。そうすれば、間違いなくネイティブと対等に話せるようになり、今後あなたのビジネスでの活躍の場が増えることでしょう。』

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