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2012年2月

2012年2月 6日 (月)

新聞記事から(読売新聞 「指導者考5」24.2.6 より)

本日は読売新聞一面に載っていた、西元徹也元統幕議長の談話の一部抜粋です。

『・・そうした時代に指導者に求められるのは、最も重要な局面、最も困難な局面に自分で立ち、”松明(たいまつ)”を掲げる姿勢だ。松明とは、人々に国家の行方を示す理念や戦略目標だ。相手の出方に応じて場当たり的に対応するのは、下の下の策だ。

軍事組織のリーダーには、平時と緊急時を切り分ける能力が求められる。平時には、人々の心や知恵、力を結集してチームワークを作り上げる。緊急時には、「時間」の感覚が不可欠だ。マキャベリは「次善の策の欠点を嫌うあまり、最悪の策をとることの愚かさ」をといた。緊急時には早い決断と熱意、行動力が必要だ。

シャルル・ドゴールは・・「政治家は言葉を考え、軍人は行動を考える」と言った。この相違から、両者が反目するのは自然だと指摘した。両者の相互理解を生み出すために、必要なのが、研究や法律だけでは獲得できない直観力と人間力だ。ドゴールはこれを「大役を果たそうとする気迫の問題だ」としている。政治家と軍人に共有するリーダーシップの本質だろう。

・・・大事なのは部下への分権だ。現状は、上司が部下の責任を問われるのを恐れて権限を自分に集中させ、結局、部下の指導力を育てられない。

退官して16年間、今も陸自幹部学校で指揮官のあり方を教えている。真っ先に言うのは「リーダーシップとは、人間性の発露であり、生い立ちから今日までのすべてが表れる」ということだ。指導者は常に誠実かつ謙虚であり、自らの身を厳しく律することが絶対に必要である。』

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