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2011年9月12日 (月)

発電する家「エコだハウス」入門  (小池百合子著 プレジデント社)

元防衛大臣、環境大臣の著作です。エネルギー問題を考える上でヒントになると思い読んでみました。

『私が「マイ発電所」を推進する理由はいくつかあります。まず第1に、「マイ発電所」は新たな地球温暖化防止策としてだけでなく、日本のもっとも脆弱な分野である資源・エネルギーの安全保障を確実なものとします。第2に、日本のお家芸である省エネ技術の発展と建築という、もっとも経済効果の広い分野を刺激することで、日本の経済・産業が活性化します。第3に、そもそも日本の貧弱な住環境を、よりよい住宅へと建て替える世代的背景があります。

クールビズの成功の理由は単純です。上司が動いたことと、とにかく楽だったということでしょう。

このまま地球温暖化が進めばどうなるでしょうか。気温が1~5℃上昇することで、地球上の生物のうち最大で30%の絶滅リスクが発生し、アジア・オセアニアではベトナム、ツバルなどを中心に海面上昇で数万平方キロメートルが影響を受け、数千万の人たちが被害を受けるとされています。また、世界的には農水産物の収穫が減少、食糧難がおき、アフリカやヨーロッパでは砂漠化や水不足、北アメリカでは火災の頻発も予測されます。

家庭でのエネルギー消費の3割を給湯が占めています。また、エアコンの暖房は冷房の3倍のエネルギーを消費します。ここにメスを入れ、日本の住宅のエネルギー消費を抑えることは、地球温暖化防止に大きな効果をもたらします。

この際、明確に白熱球使用禁止にするべきです。日進月歩で技術革新が進むLEDは性能が上がり、すでに価格が下がる減少も起こっています。初期投資は少々かかりますが、約10ヶ月で元がとれる計算になるので、結局は経済的です。

太陽光発電は、ただ屋根に太陽光パネルをおけばいいというものではありません。太陽光を吸収し電気に変える「太陽電池モジュール」のほかに、電気を吸収し家庭用電気に変換する「パワーコンディショナー」「分電盤」「買電売電メーター」が必要です。太陽光発電の設置費用は1kwあたり約60万円。エコだハウスは4.5KWの発電容量で、約270万円の初期費用がかかりました。そこから補助金(1KWあたり約7万円など、各種あり)を差し引いて、実質的には約200万円かかったことになります。

私はかねてより、日本には2つの病気があると指摘してきました。それは「とりあえず病」と「しかたがない症候群」です。

05年、世界の太陽電池生産量ベスト5は、トップがシャープ、京セラ3位、三洋電機4位、三菱電機5位と4社が日本勢でした。ところが、10年には上位5社に日本メーカーは1社も入りません。トップは中国メーカー、2位はアメリカ、3位、4位が中国、5位はドイツ。太陽電池の世界需要は13年には2280万KWと今後も拡大の一途でありながら、です。EUや中国は国が率先して太陽電池の増産を推奨し、普及に努めているのに、日本だけが時代の流れに逆行したのです。財政再建の必要性はわかりますが、日本経済を牽引する「メシの種」にもなる技術の芽を、官の不作為でつんでしまったと言わざるを得ません。』

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