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2011年6月 4日 (土)

長寿遺伝子をオンにする生き方 (白澤卓二著 青春出版社)

今回は、健康モノです。心と体を健康にして、充実した人生を送りたいものです。

『老化の速度は体の部位・機能によって違う。・・・どの部位から老化が早く進んでいくかは、その人の生まれつきの体質や生活習慣、環境などによって違ってくる。・・動脈硬化の原因となる血管の老化については男性の方がより注意が必要で、女性はむしろ血管よりも骨の老化に注意していかなければならない。

細胞には「テロメア」というものがあり、染色体の末端にキャップのようについて、DNAを守る役割を果たしている。これが加齢とともにどんどん短くなり、最後には消えてしまう。要するに染色体がほとんどむき出しになってしまう。このように加齢が進むとテロメアがなくなって、正常に機能できなくなる細胞がたくさんできてくる。それが様々な老化現象となって現れてくる。・・・太っている人、タバコを吸っている人、運動をしない人のテロメアが短くなるのが早い。

老化に占める遺伝要因はたったの25%に過ぎない。残りの75%は環境によって決まっていた。

「カロリー制限をすれば寿命が延びる」というのは、生物一般のルールと考えてよい。(ただし、ビタミン、ミネラルは充分に摂取する必要あり)

「操作すると、その生物の寿命が変わる遺伝子」はSir2と名づけられている。このSir2は「寿命だけでなく、実は老化のプロセスをコントロールしていた。」 この遺伝子のスイッチがオンになるか、オフになるかはすべて環境によって決まるということ。端的にいえば、この遺伝子は、細胞の中にあるおびただしい数のDNAに傷がつくのを防ぐ役割を持っている。

血管の老化が進みやすい人:①男性、②肥満、あるいは肥満気味、③ご飯はおなかいっぱいまで食べないと気がすまない、④甘いもの、あるいは脂っこいものを良く食べる、⑤お酒を結構飲む、⑥タバコをすう、⑦朝ごはんを食べる習慣がない、⑧夜遅くに食べることが多い、⑨日常的に体を動かしていない、⑩血縁者に高血圧、糖尿、高脂血症の人がいる。

血管内にコレステロールの厚い層ができている人が、60歳くらいになれば半数ぐらいはいる。・・これが血栓となって、いわゆる「血管が詰まった状態」になる。動脈の中でも、頚動脈と脳の動脈が特にこういう病変が起こりやすい部位。これは、自覚症状こそないが、本来20~30年という時間をかけて密かに進行している。・・食べすぎと運動不足が肥満を引き起こし、これが血管の老化を進めているのである。・・・受身にならず、自分の力で解決を! 運動、禁煙、ダイエットという極めて日常的な行動が、動脈硬化の予防・改善、ひいては自分の命を守ることにつながる。

ただし、コレステロールは低すぎても良くない。また、男女差があり、「女性は、プラス30mg/dLまではメタ簿の基準を超えてもOK」

脳の老化が進みやすい人:①最近、新しいことに挑戦してみようという気にならない、②人付き合いや、外に出かけることが好きではない、③裁縫や手紙を書くといった、指先を使った細かい作業をあまりしていない、④おとといの夕食が思い出せない、⑤野菜や魚、動物などの名前を20秒以内で10個言えない、⑥甘いもの、あるいは脂っこいものが大好きである、⑦お酒は結構飲むほう、⑧タバコをすう、⑨日常的に体を動かしていない

1980年になって、シナプスだけでなく、脳細胞の数そのものも増やすことが可能だと分かった。・・・脳の老化が心配な人の対策は、①脳の神経細胞を増やす(減らさない)こと、②シナプスの数やその中にある神経伝達物質の量を増やすこと

快適で、適切な刺激のある環境にいるとネズミのシナプスの神経伝達物質の量は保たれ、脳細胞の生存率も高かった。・・人間に当てはめると、「積極的に人と交流する」、「生活に変化をもたせる」、「よく体を動かす」、「指先をまめに動かす」

脳疾患の予防も重要。そのためにも血管の老化を防ぐことが重要なポイント

頚動脈が枝分かれするところに血栓があると、何かの拍子にはがれて脳まで流れていき、脳の血管が詰まってしまう危険性がある。頚動脈は、脳の外側にあるが、いわば脳のアキレス腱。

運動には、ある程度の加速度が必要。ある程度スピードのある動きを出すようなライフスタイルに変えていくことは、自分しだいでできる。日常の中で体を使う工夫が特効薬となる。

アルツハイマー病の特徴は、短期記憶、つまりその日の何時間かの記憶だけが、ひどくダメージを受けるということ。この病気では脳の側頭葉が萎縮するが、そこに短期記憶をつかさどる海馬があるから。また、脳の古い部分、「辺縁系」という、感情をつかさどる部分も侵されるので、感情がコントロールできなくなり、いきなり怒り出したり、泣き出したりする。

アルツハイマー病にかかると、老人斑といういうしみが脳の中にできてくる。発祥の原因は、「アミロイドβタンパク質」という物質が脳内に蓄積されることで、これが老人斑を作っているものの正体。このタンパク質は、脳全体に溜まっていくが、特に海馬のある側頭葉に多く溜まりやすい特徴がある。このために海馬の神経細胞がダメージを受け、短期記憶が保てなくなる。

アルツハイマー病の薬、アリセプトは、神経細胞のシナプス内でのアセチルコリンの働きを良くする薬で、症状はよくなっても神経細胞が死んでいくプロセスはとめられないので、対処療法的。・・・しかし、アミロイドβタンパク質そのものの蓄積を防ぐ薬が開発されてきており、あと15~20年で一般の人にも使える段階に入ってきている。

認知症予防に効果的な食事の摂り方:①カロリー制限をする、②高脂肪食を避ける、③地中海食(オリーブオイル、果物、野菜、豆類、穀物、魚類が多く、アルコール類は少量、肉類と乳製品はほんの少しという食事)を常食する、④野菜又は果物ジュースを週3回以上飲む (手作りのものでも、市販のジュースでも効果は変わらない様子)、⑤赤ワインを適量飲む(ネズミの実験で、脳内のアミロイドβタンパク質と老人斑の面積が減っていたため)

認知症予防のために積極的にとりたい食品:①クルクミン(多く含む食品・・ウコン)、②ドコサヘキエン酸(DHA)(多く含む食品・・さば、いわし、ぶり、さんま、うなぎなど)、③ビタミンE(多く含む食品・・ピーナッツ、アーモンド、うなぎ、西洋かぼちゃなど。サプリメントからの摂取では抑制効果なし。食べ物からとることが重要)、④エビガロカエキンガレート(EGCG)(多く含む食品・・緑茶)、⑤その他の機能性食品物質(イチョウ葉抽出液に含まれるフラボノイド、ニラ、レバー、ほうれん草などに多く含まれる含流化合物αリボ酸)、⑥抗炎症作用食材(エキストラバージンオリーブオイルのオレオカンタール、鮭・エビ・カニなどの含まれるアスタキサンチン等)

骨の老化が進みやすい人:①女性、②閉経している(女性の場合)、③ダイエットのためよく食事制限をする、④乳製品や小魚、きのこ類をあまり食べない、⑤ステロイド薬を服用、胃摘出、両側卵巣摘出のいずれかに当てはまる、⑥スナック菓子やインスタント食品、加工食品などを良く食べる、⑦日中に外に出ることが少ない、⑧日常I的に歩いたり、体を動かしたり、足腰を使うことをしていない、⑨お酒はかなり飲む方、⑩タバコをすっている

男性は、テストステロンというホルモンによって骨の形成は維持されている。女性のテストステロンの分泌はわずか。エストロゲンによって骨の吸収を抑制しているが、閉経後にこれが激減するため、骨の老化が男性よりも20~30年早く進む。

骨粗しょう症を予防するには:カルシウムの摂取不足を是正するため、乳製品、小魚、海藻類を積極的に摂る。体内のカリウムバランスを崩すリンの過剰摂取にならないように、インスタント食品、スナック菓子などの加工食品を食べ過ぎない。運動不足やビタミンDの摂取不足を防ぐため、屋外で日光に当たりながら運動する。

「動いて骨に圧力をかける」ということが骨の強度を維持するためには欠かせない。

1日6000歩以上歩いている人には骨粗しょう症がすくない。(東京都老人総合研究所の調査結果)

筋肉の老化が進みやすい人:①70歳以上、②都市部で生活している、③日常的に歩いたり、体を使うことをしていない、④毎日三食をきちんと摂っていない、⑤ほとんど肉類を食べない、⑥食事は一人でさっさとはや食いしてしまうことが多い、⑦食べ物をよくかんだり、飲み込んだりするのに不自由を感じる、⑧最近、ものにつまずくようになった、⑨お酒はかなり飲む方、、⑩タバコをすっている

筋肉の老化には、「筋肉量の減少」と「筋力の低下」の二つの側面。筋肉量というのは、自分で維持しようと努力をしない限り、加齢とともにだんだん減ってくる。そして、年齢が高くなるにつれ、サルコペニア(筋肉量減少症)を発症するリスクが増してくる。サルコペニアは、加齢とともに、筋肉量の減少や筋萎縮が進んでしまった状態で、特に70~75歳頃からこの症状になる人が増え始め、75歳頃から目だって増えてくる。

筋肉老化のプロセスの根本的な部分では、活性酸素が重要な役割を果たしている。通常は、体内にあるSODという酵素によってすぐに過酸化水素に変換され、無毒化されるが、これが追いつかなかった場合、近くにある鉄と結びついて攻撃性を持つようになる。そして、あちこちへ移動して他の細胞を攻撃してさび付かせてしまう。

上半身の筋力で老化と関係が深いのは、咀嚼、嚥下力(噛んで飲み込む力)。咀嚼力を保つには、歯のケアも重要

サルコペニアの予防には、魚と肉の比率を1:1にして食べることが大切。

心の老化が進みやすい人:①昔からよく「まじめ」「几帳面」といわれる、②最近、何かと過去を振り返って後悔することが多い、③眠りが浅くて夜中によく目が覚める、あるいは寝すぎてしまう、④家の中にいることが多く、あまり外を出歩かない、⑤今の仕事、生活は自分に向いていないと感じている、⑥親や兄弟姉妹、祖父母に、うつ病・パニック障害・強迫神経症などを患った人がいる、⑦幼少時に虐待や大事故、大災害など思い出すだけで怖くなる出来事に遭遇している、⑧食事は一人で黙々と食べることが多い、⑨人と付き合うより、一人で過ごすほうが好きである、⑩この先の人生の楽しみ、目標、夢をもっていない

心のエイジング対策においては、人間らしい豊かな心の反応や感情表現をいかに保っていくかがポイント。

心がうつ病の方向へ傾いていくのは、次の二種類の悪化要因が重なったとき。一つは慢性疾患や過労など、身体的なもの。もう一つは、孤立感、家族の死、経済状況の悪化など、心理・社会的なもの。うつ病のもっとも中核の症状は、「何をしても楽しくない」こと。そのほかの身体症状には、頭痛、倦怠感、肩こり、動悸、耳鳴り、めまい、胃の不調、腰痛、冷え、神経痛、関節痛などがある。・・伴侶がなくなるというのは一番大きなストレスで、うつ状態を作りやすいが、通常の場合は、だいたい2ヶ月で回復してくるというのが一般的な見方。

うつ病に関連する主な神経伝達物質は、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン。ドーパミンは、快楽や喜びが中核にあり、それが行動の動機付け、あるいは意欲や学習などの行動として現れてくる。ノルアドレナリンは、恐怖や不安、それに連動した覚醒、集中、記憶、積極性などに関係し、怒りのホルモンと呼ばれている。セロトニンは、ドーパミンやノルアドレナリンの働きをコントロールし、精神を安定させる作用を持つ。

うつ病は心の老化の最たるものとして話しているが、血管や骨など他の部位の老化の末期症状と違うところは、回復する病気ということ。治療すれば必ず回復する。繰り返すこともあるが、必ず良くなる。・・周囲の人は大変だが、「病院に連れて行く」「精神的に支える」「体が動きにくくなっているのをサポートする」という努力が必要。・・・心の老化を心配している人、すでにうつ傾向がある人は、運動量を増やす努力を始めるべき。本格的なうつ病になる前に早めに手を打つこと。

うつ病予防の食事:①バランスの良い食事、②朝食にも手を抜かず、良質のタンパク質を摂る、③セロトニンのもとになるトリプトファンを含む食品を摂る、④トリプトファンの働きを助けるビタミンB群を摂る、⑤食事、料理に関心を持つ、⑥体が求めている「何が食べたいか」という声に耳を傾ける。・・トリプトファンは、セロトニンの原料になる唯一つのアミノ酸。いろいろな食品に含まれているが、特に多いのが、バナナ、牛乳、乳製品、落花生その他のナッツ類、大豆、海苔、赤身の魚(マグロ、かつお)、ゴマなど。

創作、芸術、音楽などに触れることも、刺激に満ちた豊かな環境を整えることになる。

うつ病予防の心がけとしては、なるべく物事を前向きに、ポジティブに考えることが大切。100点満点ではなく80点ぐらいを目標にすることも一策。

免疫の老化が進みやすい人:①職場や家庭、親族などの人間関係に悩まされることが多い、②つねに経済的不安を抱えている、③疲れが取れないと感じることが良くある、④野菜や果物はあまり食べない、⑤日常的に歩いたり、体を使うことをしていない、⑥スナック菓子やインスタント商品、加工食品などを良く食べる、⑦タバコをすっている、⑧太りすぎである、⑨慢性的な睡眠不足である、⑩お酒を結構飲む方

一番免疫力が衰えやすい人は、心身にストレスがかかっている人。

ガン発症の要因:①喫煙、②飲酒(一定量以上の飲酒)、③感染(B、C型肝炎ウィルス、ピロリ菌等)、④運動不足、食べすぎ

がん予防効果が大きいとされる食品(デザイナーフーズ)。米国の国立ガン研究所が発表したもの。食品は全部で48種類。重要度が高いものから、次のもの: ①ニンニク、②キャベツ、③大豆、④カンゾウ、⑤ショウガ、⑥せり科植物(にんじん、セロリ、パースニップ等)、⑦玉ねぎ、茶、ターメリック、⑧全粒小麦、亜麻、玄米、⑨柑橘類(オレンジ,レモン等)、ナス科植物(トマト、なす、ピーマン等)、⑩アブラナ科植物(ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツなど)、⑪メロン、バジル、タラゴン、キウイ、イチゴ、カラス麦、ハッカ、オレガノ、きゅうり、タイムアサツキ、きのこ類、ローズマリー、セージ、ジャガイモ、大豆、ベリー

老化についての知識を持つこと、自分の老化タイプを知ること、老化の原因になっている生活習慣を少しずつ改善していくこと、この3つがそろうことで初めて適切な老化コントロールが可能になる。長寿遺伝子は、どんな人の細胞にも備わっている。大切なことはどんなことでもいいから、まず一歩を踏み出すこと』

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